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ほんわか狆太郎

狆太郎が逝ってしまってひと月〜その2

ブログに書きたかった狆太郎の事情を
狆太郎が死んでからこうして書いている。




意味がないことかもしれないけれど
それでも、いろんな人に知ってもらいたいと
思っているのです。






狆太郎はずいぶん回復してきたように見えました。
しかし、右目が異常に膨らみ始めました。
どんどん眼圧が高まり、ぱんぱんです。
どこかのブログで極度の栄養失調の子に急に栄養を与えると
眼球が膨らみ、破裂してしまうという記事を見たことがあり、
あわてて、眼球を冷やしました。
冷やした水を脱脂綿に含ませ
冷やし続けました。半日経って
ようやく目の腫れが引き、眼圧が戻りました。




3回目の病院、狆太郎の元気な姿を見て
先生方はびっくりされていたようです。
そして大変喜んでくださいました。




狆太郎は体を起こすようになってきたし
時々ふらふらしながら立つこともあったから・・・




お友達が狆太郎を見に来ました。
狆太郎はお友達に向かって
「アウオ・・アウオ」と力のない声で吠えました。
そして、噛むような仕草を見せ
私のひざによろけながら倒れるようにのってきたのです。
そして、体をすり寄せながらまた
「アウオ・・アウオ」




痩せた小さな体をおしつけてきます。




嬉しかった!




顔を近寄せると、必ずめろんめろんとなめてくれました。




私がパソコンに向かって仕事をしていると
こちらをじっと見ているのです。




「なーに、狆太郎」と言って近づくと
しっぽをちゃらちゃらちゃらと振ってくれるようになりました。
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可愛かった!





そんなある日、ふと見ると初めて
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なんと!へそ天で寝ています!





笑った!




うちのわんこたちも、狆太郎を受け入れてくれていた。
くんくん、くんくんされて、まんざらでもなさそうな狆太郎
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じんときた!





そんな毎日の中で、このままずっと生き続けてくれるような
このままどんどん回復していくような
私は、そんな錯覚を起こしていたのです・・・





その日、私は職場の人に「早く帰らせてください。」とお願いし
退勤する準備をしていました。
でも、さして重要ではない(命より)ことで引き止められ
帰りが遅れてしまいました。


時計を見ながら仕事をして帰りました。






いつものようにまず狆太郎を見に行きました。




寝ているようです。




嫌な予感がしました。
この2〜3日食がちょっと細くなったような感じだったし
昨日から飲んでいるミルクの量がすごく少なかったから・・・




「狆太郎!」




声をかけても動きません。




「狆太郎!」




体を触るとあったかいのに
動きません!




「狆太!狆太!」と大きな声で呼び続けました。





「狆太!」首筋をつかんで体を揺すりました!





全く動いてくれません。





でも信じられないくらい温かくて・・・





顔を見ると目を開けています。口は開いていませんでしたから
苦しがった様子はありませんでした。
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「死んでいたらどうしよう」と思いながら毎日毎日、寝ている狆太郎に
声をかけていたのだけれど・・・・・この時がとうとう来てしまった。





昨日は仕事が休みで一日中一緒にいられたね。





だっこもいっぱいしたね。




お耳掃除もしてあげたね!
気持ち良さそうに目をほそめて、ねてしまったよね。




そのあと、初めてファミリーみんなで
一つのお布団で昼寝をしたよね。
狆太郎はお布団の上に置いたわんこベッドから
ぐーんと体をのばして
私の顔を見ていたね。





あんまり疲れさせちゃったんだろうか・・・
だっこしたのがいけなかったのだろうか・・・・
今朝、ちょっとしかミルクを飲ませられなかったのが
いけなかったのだろうか・・・
昨日点滴にいけばよかったのだろうか・・・





いろんな思いが錯綜しました。





狆太郎はとてもきれい好きな子。
おしっこをしたら体をよじっておしっこのないところに
移動していました。





うんちが出たら(ほんのちょびっとずつでした)
きれいになめてしまいました。





ブラシが大好きでした。





だから、おしっこで黄色く変色した体をシャンプーしてあげました。





本当はお風呂だって大好きだったはず。





骨と皮しかない体を洗いました。

固くなり始めていた体に
温かいシャワーを当てると
不思議なことに狆太郎の体が
急にやわらかくなったのです。




この世で味わった「恐怖」や「つらい思い」から解放されたような
そんな瞬間でした。





だんだんしみついた糞尿のにおいも
少しとれてきたような気がしました。





きれいになった狆太郎にドライヤーを当て





毛をすいてあげると、見違えるほどきれいになりました。





みんなが集まってきました。
さよならを言っているようでした。
まきちゃんが狆太郎を起こそうとするように
狆太郎にむかって吠え続けました。
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いつか元気になったら着せてあげようと思って買った
可愛い白いダッフルコート。
昨日届いたばかりのダッフルコート。
生きて着ることはできませんでした。
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翌朝まで一緒にいて、それから友だちのところで
荼毘にふすことになりました。
一日経ってもこんなにきれい。
生きているみたい。
でも今はもう冷たくなっています。
目はいくらやっても閉じませんでした。
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どこでどんな生活をしていたのか。





筋肉は全くなく、肉球も柔らかく、ピンク色。





やせ細った体。





小さな小さなみそっぱ。





白く濁ってしまった瞳





はさみで切り取られた舌。
先が二股にわかれ、左側のふちもまっすぐに切り取られていた。





センターでは人を噛もうとしていた。
立つこともできない、力のない体で。
恐怖に震えて。
必死に逃げようとしていたのだろうか。





意思をはっきり伝える子でした。


おしっこもうんちも、のどが乾いても
何か食べたくてもちゃんと意思表示をしました。


してほしくないことをすると、口をへの字に結んで
キッと横を向きます。


その姿が妙に可笑しかった。




うちの生活に慣れ、のんびりと暮らすこはできたけれど
最後まで、狆太郎の笑顔を見ることはありませんでした。





寂しそうな目の可愛い狆太郎
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長い長い狆太郎の物語
最後まで読んでくださって
ありがとうございました。


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by shiro-kuro-family | 2006-12-15 21:57 | 狆太郎
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